個性を育てる教育(5)

−一つに打ち込んでみる−
 


 日生学園の生徒には、高校2年の前半くらいまでは、とにかく色々なことに挑戦することを勧めています。好きなことだけではなく、自分が嫌いだと思っていることもやってみよう。新しいことをやるチャンスがあればまずやってみようと、様々な活動に取り組むことを勧めています。
 そして2年の後半になると、今度は、そうしてチャレンジした中から、これを深めてみようと思うものを絞り込んでやってみようと呼びかけています。一つには、受験勉強を本格化させる必要があるので、そんなに色々とやっている時間がないこともあります。そしてもちろん、自分の中の力を伸ばすためには、打ち込むことが必要になるからです。
 自分が持っている力がどれほどのものかを見極めることは、生半可なことではできないものなのです。
 例えば英語の力を付けたいと思うならば、休み時間も単語を覚える、食事中も歩いている時も英会話のCDを聴くくらいにやらなければならないのです。そのくらいやらねば力が伸びることはないのです。
 例えば、昨年フジテレビにアナウンサーとして採用された長谷川君は、立命館大学に入学すると早速放送研究会に入ってアナウンサーとして活動を始め、更に、毎週土曜日の夜には夜行バスで東京に行き、アナウンサー養成学校で日曜日には勉強し、日曜日の夜、夜行バスで京都に帰るという生活をしていました。バス代や授業料を払うためにとアルバイトも必死にやっていました。そうやってようやく、アナウンサーとして認められる力を手に入れたのです。
 他の人が驚くくらいに打ち込まねば力を開発することなどできないのです。その意味でも現代は個性を発掘しにくい時代です。適当にやること、疲れぬ程度にやること、楽しみながらやることが価値あることだなどと思われている時代ですから、そこを超えるためには勇気がいる時代なのです。実に奇妙な時代です。しかしそれでは絶対に個性など出てこないのです。
 24時間一つのことに打ち込む。そんな気概がなければ個性を見い出すことはできないのです。
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