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21世紀を見据えた教育(8)

-人間関係創造力-
 


 前にも述べましたが、21世紀の日本人はアジアを中心にしながらも世界中の人々と手を携えていく力を持たねばなりません。そのためには英語力の必要を述べましたが、これと同様に、意思疎通を図るための表現力を持つことも大切です。これについては、「表現する力を育てる」の項目で詳しく述べていますのでご参照ください。
 そして会話力や表現力にも増して必要なものは、人間と人間の関係を作り上げる力です。今、これが日本人の中から急速に衰えはじめています。人と人との関係が希薄になったとでも申しましょうか、若者の中に、人との付き合いが苦手な人が急増しています。友達だと言っても、単に話をするだけでお互いにほとんど干渉しない。その話も、面と向かってではなく、携帯電話やE−メイルのやりとりで済ませてしまう。そんな希薄な人間関係の中で育っている子供が大多数を占めるようになってきました。
 最近、就職口さえ探さない大学生が増えてきました。「不況だからどうせ探しても見つからない」と言うのではなくて、「会社を訪問して自分を売り込むような事ができない」と言うのです。見ず知らずの人に出会って話をすることができないのです。
 先日、某銀行の幹部の方とお話をしていますと、「最近の若者は困ったものだ。入行して暫くするとお得意様の家庭を訪問させるんですが、家が留守であることを期待しながら回っているのです。帰ってくるなり、『今日は助かった。10軒のうち8軒も留守だった。お蔭で話をせずに済んだ』と平然と言うのですよ」と嘆かれるのです。
 日本の中でさえこれです。欧米へアジアへと飛び出し、多くの人と人間関係を構築していかねばならぬ時代になっているのに、これでどうなるのでしょうか。
 ここにこそ全寮制の学校の髄骨頂があるのです。見ず知らずであった者が、一つ屋根の下で、共同協同の生活をする。そしてそれを通じて様々な関係を作り上げる。これをやり遂げることができる教育の形態は全寮制でしかないのではないでしょうか。それ故にこそ、イギリスのパブリック・スクールが今尚、光彩を放っているのです。
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