21世紀を見据えた教育(6)

-国際化への対応-
 


 日本人であることを大切にせよとか、個性を大切にせよとか言っていますと、何か保守的な内向きな姿を想像されるかもしれませんが、決してそうではありません。これからの日本を考えた時に、当然の如くに、海外に眼を向けねばなりません。しかもその眼は単にアメリカの方を向いているだけでは許されないでしょう。この不況の最中にあって、何とか日本経済が奈落の底に沈まずにいるのは、アジア諸国の回復が急ピッチで、それに伴って日本からの輸出が好調であることが主な原因であると言われています。今後の日本経済はアジアの発展に大きく関わってくるようになるでしょう。
 さて、そうしたアジアの指導者の多くが英語を駆使しています。アメリカやイギリスの大学への留学経験者が多数を占めています。今年の夏に、イギリスでの語学研修に参加した第一高校の2年生は、アジアからの語学研修者が多数参加しているのに驚いていました。しかも本当に熱心に英語を学ぼうとしているその姿に感銘さえ覚えて帰ってきました。
 英語で意思が伝えられる人になることは、21世紀に生きる日本人にとって最低必要条件となります。しかし残念ながら、現在の日本の英語教育はそうした産業界の期待に応えるものとはなっていません。そこで大学生や社会人がびっくりするくらいの高い授業料を払って、英会話教室に通っています。こんなおかしな話はありません。中学高校と6年間も英語を習っているのにです。昨年、日本に来て数カ月というカンボジアからの留学生が家に来ましたが、流暢な日本語には驚かされました。カンボジアで1年間勉強して日本に来たというのです。
 英語教育を根本的に見直す必要があるでしょう。週に3時間程度の英語の授業では到底そんな力が付くことを期待することが誤りでしょう。本当に力を付けるならば最低でも10時間くらいの授業が必要になるでしょう。そうした体制を整備することが急務だと考えます。しかし残念ながら、授業時間の削減、授業内容の削減が文部省で企画されているのはご承知の通りです。代わって小学校から塾で英語を教える案が出ています。塾に行けない子はどうなるのでしょうか。
 横道に逸れてしまいましたが、徹底した英語教育が求められている現状を真剣に考えるべき時が来ています。ある日突然、外人が社長になる。そんな企業もこれから増えていくでしょう。その時に対応できますか。
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