| 21世紀を見据えた教育(5) | -個性的人間を育てる- |
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価格破壊が日常的に行われる時代になってきました。利潤さえ度外視した値引き合戦さえ盛んに行われています。価格を押さえる唯一効果的な手段として、給与の高い熟練した労働者がリストラの名によって切り捨てられています。代わって派遣労働者やパートやアルバイトの採用が盛んです。失業率が一見すると落ちついてきたかに見えますが、その中身はと言えば、臨時雇用が増加しているだけです。
価格を押さえるためには、未熟練の労働者でも対応できるシステムを構築し、大量に規格品を生産する必要があります。大量に生産した物を売り尽くさねばなりません。そこで無理をしても安価で売り出します。未熟練の労働者でも作れる製品ならば日本でなくても作れます。中国や東南アジアから、日本で作られる製品より格段に安い製品が輸入されてきます。

こうして今、日本の産業はズタズタにされているのです。それに追い打ちをかけるように親会社から徹底した値引きが要求されます。日産自動車の例が示す通りです。3割納入金額を下げよ。さもなくば下請けから外すと言うのです。これで中小企業は存続できるのでしょうか。
規格大量生産に頼り、系列に頼っている限り不可能でしょう。何とかそうした方向で生き延びたいと考えた企業の多くが海外に工場を移転しました。しかし、そうした工場の多くが、今、危機に立たされているようです。単に安価な労働力を求めての海外進出は、労働者の教育やその国独特の様々な法律や習慣の前に立ち往生しているようです。

では日本はどうなるのでしょうか。
幸い、そうした中にあっても元気な企業はたくさんあるのです。そんな価格競争に巻き込まれずに、その企業独自の技術を開発し、その技術力を高める努力をしている企業は、元気なのです。
「親方日の丸」の中に安住できればそうしていたい。皆がリストラと言っているから自分の企業も。そんな風に考える企業に未来はないのです。21世紀に逞しく活動する企業は、自主独立、その企業にしかない個性を磨いた企業だけになるでしょう。自分の持っている個性を育て、その個性の可能性を信じて生きることのできる逞しい人のみが、21世紀に輝くことができるのです。
自分にしかないというものをどれだけ育てられるか。その子にしかないというものを見い出し、伸ばせる機会を与えられるかが、これからの教育の最大の眼目となるでしょう。