21世紀を見据えた教育(3)

-日本人の復興-
 


 「21世紀とは国境がなくなる時代だ。グローバルな世界の時代だ。そんな今時、やれ日本人がどうだなどと言うのは時代遅れだ」との声が聞こえそうです。確かに通信とコンピューターの発展は瞬時に世界をつなぐ時代を生み出しました。しかし国家が消滅するでしょうか。そうした意見を言う人の多くが、アメリカこそが最も進んだ国だと思っています。ではそのアメリカが今何をやっているのでしょうか。盛んに日本の鉄鋼品をダンピングだと訴えて関税の障壁を作っているではありませんか。日本の保険会社にはガン保険を売らせないのは、どこの国が圧力をかけているからなのでしょうか。考えられないくらい膨大な資金を出して日本政府はアメリカの国債を買っています。円高が進めば進むだけ、アメリカ国債の価値は目減りします。それでも解約しないのは何故なのでしょうか。
 国境がなくなるなどと空想するのは、それこそ「国家意識」を失った日本人のみの考え方です。そんな考え方はグローバル・スタンダードではないのです。国家があって国民があり,消費者も市民もあるのです。前段を忘れているのは日本人だけです。それこそが特殊なのです。
 たった一回負けただけで全てを否定したところから、現在の混迷が生まれているのです。参謀本部の支配した国のかたちは否定すべきであることは当然のことです。それと、数万年もの間に作られた日本の伝統や文化とは何の関係もないのです。誇るべきものなのです。
 欧米諸国もアジアの多くの国々も、一神教の下、硬直した国家意識を持っています。そうした中で多神教で、他を受容することのできる日本人もまた、国家意識を持っている可能性は高いと考えます。そうした視点での論議も最近かなり多くなってきました。
 縄文時代以来、日本人が作り上げてきた歴史、文化、思想を今こそ見直す時です。欧米人も驚嘆した礼儀の人である日本人、勇猛果敢な精神、勤労を尊ぶ精神、職人を重んずる文化。日本人が誇るものは、決して少なくないのです。日本人であることに誇りと自信を持つ教育こそがまず最初に求められるものなのです。外国に行って、日本文化や芸術について聞かれても何も答えられない日本人は、世界の恥です。自国を誇れない人間ほど淋しい国民はないのです。
 日本人の精神を教育に携わっている者はもう一度学び直さねばならないのです。と言いますより、誰もそれを教わってこなかったし、勉強しなかったし、身につけようともしなかったのではないでしょうか。既に教える側からこれがなくなってしまっているのです。一から勉強です。
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