日生学園教育レポート -競争が個性を育てる-

3、競い合う学園

(2)好敵手
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 前章で紹介しました多くの行事の大半で個人の表彰も行っています。全体を引き上げるだけではなしに、如何に個人が高い結果を生むかが問われるようにしています。定期試験の優秀者は名前を掲示し、表彰します。大会や運動の優勝者も然りです。英語検定や漢字検定の合格者も掲示しています。昨年から実施している学内TOIECの結果も掲示します。
 しかもこうした行事を通じて、できるだけライバルを持つように指導しています。あの子に勝つ、あいつは抜いてやるとの目標を立てさせるようにしています。時には、「次の試験はお前に勝つからな」と公言することもあります。多分これこそ、全寮制の成せる技でしょう。一般の学校ならば、そんな発言をしようものならば大事になるでしょう。しかしそこが寝食を共にしている全寮制の良い所です。まあ兄弟で競い合っているみたいなものです。お互いがお互いの人格を尊重した上での挑戦なのです。
 団体での競い合いでも必ず好敵手となる団体が出てきます。一昨年までは運動クラブの生徒からなる大志寮がスポーツ大会では必ず優勝していました。そこで芸術活動に取り組む生徒の多い清輝寮の運営委員に「負けて当然か、負けて楽しいか」と度々問い掛けていくうちに、駅伝大会だけでも勝とうとの機運が盛り上がってきました。朝、多くの生徒がマラソンをしてから登校するようになりました。そしてとうとう勝ったのです。これの効果は駅伝だけではありませんでした。合唱大会は精華寮が勝ちつづけていたのですが、走り込んだことが声量を豊かにすることにつながっていました。春の合唱大会では他の団体を大きく引き離す声量で優勝しました。
 個人も団体もライバルを持つことは大切なことです。あいつには負けられぬと思うから頑張れるのです。身近にライバルがいる、これが日生学園の強みなのです。
 成績を競い合って志望大学に2人共合格した女子生徒の例を紹介しましたが、その内の1人が一昨年の夏に家に帰らずに勉強に打ち込んだことは、他の生徒に大きな刺激となりました。昨年は100名程の生徒が残ったのです。せめてお盆だけでも先生方に休みをあげてくれと頼んで帰らせました。春休みも、今年のゴールデンウィークも然りです。家に帰るよりは、ライバルのいる学校で勉強するという風が定着してきました。
 今年から5年生の海外研修旅行はオーストラリアからイギリスに行き先を変更しました。彼方の寮に泊まらせながらの語学研修を企画したので、これを機会にと思いALTのスタッフを増強して夜間の英会話学習を開始しました。すると押すな押すなの盛況です。「あいつがやるなら俺も」が定着してきたのです。
 第一高校のクラスは志望大学別・文理別に編成されていますが、このクラス編成は1年間変わらない固定したものではなく、流動的なものとして編成しています。「なんとしても上を目指したい」「あいつがあのクラスで頑張っているのだから僕も」と言って、変更を希望する生徒が後を絶たないのです。第二高校と連携を取っていますので、第二高校からの転校も随時受け入れています。競争を通じてやる気を出させ、そして、競い合うなかからより高きを求める。それが日生学園の教育なのです。
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