日生学園教育レポート -競争が個性を育てる-

2、競争が個性を育てる

(2)競う中から工夫が生まれる
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 企業間の開発競争は熾烈なものがあります。電卓競争と言われたカシオとシャープの競争、最近ではセガとソニーの競争が有名です。ライバル企業に打ち勝たねばならないと追い込まれた時に、ライバル企業にない新しい物を作りだそうとの猛烈な工夫が、研究が行われるのです。自分の企業は安泰だとの油断があると、その時には工夫を怠ってしまうものです。最近ではキリンビールや日産が良い例でしょう。
 個人も同じことです。どんな成績でも順位が出ない環境では、何とか勉強のやり方を工夫しようとの気持ちは出てきません。次のテストの結果次第で人生が左右されるとなって初めて、自分の勉強の中身が問題になってきます。勉強の方法が問われてきます。
 クラブ活動も一緒です。勝っても負けても一緒と思っていると、クラブの時間を楽しく過ごすことだけが問題になります。どうでも次の大会に勝って、県の代表になりたいと思うと、こんな練習で良いのか、もっと筋力を付けるためにはどんなトレーニングをすれば良いのか、相手の技を越える技を研究せねば、となってくるのです。
 日生学園に入学してくる多くの生徒がよく使う言葉があります。「結果より経過だ。結果はどうであっても一生懸命努力すればそれで良い。結果に固執するのは間違いだ。」と、真面目な生徒が真顔でそう言うのです。幼い時からそう言われてきたのでしょう。結果を気にしない、勝たなくても良いと思っていると、苦しくなれば必ず合理的な理由を付けて逃げるのが人間です。「勉強することが大切なのだから、点数なんて問題ではない。」等と言い訳をするのです。本当に勉強すれば、必ず結果に現れます。結果が悪いことは、結局は勉強しなかったことの現れなのです。ところが、競争心が培われていない者は、そんな屁理屈を正しいものと信じて言うのです。
 中学時代に不登校であった生徒に、特にその傾向があります。真面目に努力する子、潔癖症の子が多いのですが、その反面、「結果よりも経過」が大切と言うのです。逃げることの正当化だとは気づいていないのです。
 どうでも勝たねばならぬと思えば、逃げることは許されません。他にないものを作ろう、他より優れたものを生み出そうとして様々な工夫がなされます。どうでもキリンビールに勝ちたいとの強い意思がアサヒビールの今を生んだように、様々な工夫の結果がその会社だけにしか生み出せぬ特色を発揮させるのです。その工夫が、個々人の持っている力を伸ばすことに繋がっていくのです。
 逃げることのできない環境、結果こそが大切であるとの発想を育てることが、今日本の教育に求められているのではないでしょうか。参加することに意義があるとの言葉の響きに惑わされていたのでは、メダルが取れないだけではなしに、その人の持つ力が発揮されないままで終わってしまうものなのです。勝つために必死に工夫する中から、その人にしか生み出せぬ独創的なものが誕生するのです。負けても、売れなくても良い、合格しなくても良いでは、その人の持つ力、個性は永遠に開花されずに終わってしまうのです。
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