日生学園教育レポート -競争が個性を育てる-

1、競争激化の時代に

(2)大量生産・大量消費時代の終焉
前のページへ メニューへ


 欲望の時代と呼ばれる20世紀は、T型フォードに代表される流れ作業とロボットの開発によって規格大量生産が実現されることによって、人々の欲望を充足させることを可能としました。大量の資源が、人々の欲望を満足させるために浪費されました。そして、今、一人の人間が消費しているエネルギーは象一頭に匹敵するといいます。地球上を60億頭の象が闊歩しているのと同じ光景が生み出されたのです。
 しかし、今、自然の逆襲が始まっています。自然界と異なる人間界を作った人間に対して地球がその存在を許さないとして動きはじめました。オゾン層の破壊、地球温暖化、酸性雨、放射能、そして環境ホルモン、エイズや院内感染もそこに含まれるものでしょう。どれ一つをとっても人類に対してノーを突きつけるものと言わねばなりません。
 一方において、地下資源が枯渇しはじめています。その一方で、ゴミの大量発生が、都市生活の継続さえ脅かす事態に立ち至っています。
 今、景気の回復・反転が遅れている理由として消費者の財布の紐が固いと言われています。そしてその理由として、多くの識者は、金融機関への不安やリストラの進行や国家財政の逼迫による老後の不安を上げています。そして景気さえ安定すれば消費者の財布が緩むと期待しています。それだけなのでしょうか。
 私は違うと考えています。勿論そうした要素も大きな要因の一つではあると思います。それよりも、多くの日本人の中に「欲望の世紀が終わった」との意識が生み出され始めたのではないかと思うのです。そのことが、消費動向を今大きく変化させようとしているのではないかと考えるのです。規格大量生産に踊らされ、消費は美徳と教えられてきた消費者の中に確実に変化が生み出されはじめたのではないかと見ます。
 使い捨ての物ならば100円ショップで。古着に味がある。大きな車よりも軽自動車。大量に買うよりも必要な時に必要な物が買えるコンビニ。アメリカ型の販売に固執するダイエーの不振。こうした傾向をどう見るかです。
 様々な市民団体や企業によるエコロジーの取組も盛んになってきました。産業廃棄物阻止を叫んだ町長が再選されました。こうした傾向をどう見るかです。不況だから、雇用が安定していないから、政府の財政に不安があるからだけなのでしょうか。
 こうした様々な傾向こそが、新しい世紀への動きであると見ることによって、20世紀の欲望充足肯定社会を変えようとする動きであるとみることによって初めて回答を手に入れることができるのではないでしょうか。
TOPへ戻る次のページへホームページへ戻る



このホームページは、学校法人日生学園により運営されています。
このページに関するお問い合わせは、
日生学園ホームページよりお願いいたします。